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水虫はきっちり治しましょう

気温が高くなり湿度が高いと水虫の患者さんが増えます。

昔は薬局に水虫になったと来る方が多かったですが

今は医療機関に受診してもらう方も多くなっていますね。

水虫は完治できるものですが、ぶり返す人が多いのも事実です。

水虫とは足白癬のことで、「白癬菌」という真菌が足の皮膚に感染したことで

起こる皮膚疾患です。

 

命に関わるような疾患ではありませんが、痒みや皮のめくれといった不快な症状が現れたり

同居家族に感染を広げたりといったトラブルの元になります。

 

一般的に、足白癬であれば塗り薬の抗真菌薬で「白癬菌」を退治できるため

「白癬菌」が皮膚から完全に居なくなってしまうまで

薬を塗り続けることで“完治”させることができますが、完治まで塗り続ける人が少ないです。

痒みがなくなったり、見た目がよくなったので「治った」と思い、

薬を塗ることを止めてしまいます。

 

しかし、一般的にこの段階ではまだ皮膚に「白癬菌」が残っているため

またしばらく経つと水虫をぶり返すことになってしまいます。

この場合、今年こそ「白癬菌が居なくなる」というゴールに到達できるように

水虫という疾患への理解、水虫治療の目的、薬の使用方法などを

改めて詳しく指導し直す必要があります。

 

足の指の間に水虫ができる「趾間型」のものは、

抗真菌薬は最低2カ月間塗り続ける必要があります。

これは、皮膚のターンオーバーにそのくらいの時間がかかるということですが

これだけの期間ずっと薬を毎日塗り続けるのには、物凄い根気が必要です。

薬を塗り続け完治させることが大切であることをしっかり説明することが必要ですね。

完治させずにいると家族にまで移してしまう事や「爪白癬」にまで

進行していまうことになります。

「爪白癬」は、ただの水虫のように“塗り薬”だけで完治させることは難しく

扱いの難しい飲み薬を使う必要があり、治療期間もより長期化します。

「適切な薬」を「適切な量と方法」で「必要な期間」使い続ける、

というところが重要になります。

店頭で患部を見せて、適切な薬を選んでもらい、きっちり続けるようにしましょう。

 

水虫は、基本的に生命に関わるような疾患ではありませんが

たとえば糖尿病疾患では末梢神経障害によって足病変に気づきにくく

水虫の悪化や潰瘍リスクが高い傾向にあり、注意が必要です。

また、高齢者では足の不快感が立位バランスに悪影響を与え

転倒リスクに繋がる可能性もあります。

“たかが水虫”と侮ると、時に思わぬトラブルを招く恐れもあります。

何かあったらまずは相談できるお薬屋さんへ。