なぜ冬に肌が荒れるの?
冬も終わり、春になろうとしていますが
乾燥したこの時期の肌荒れについて、お話したいと思います。
寒さが厳しくなるにつれ、肌の乾燥やひび割れといった悩みが現れます。
冬にはどうしてこのような現象がおこるのでしょうか?
皮膚の表皮の角質層は、角質細胞が15~30層くらいに積み重なって出来ており
その層の間には、皮脂、天然保湿成分(アミノ酸、尿素など)、
セラミド(脂質の一種)などの保水成分が存在し、通常10~20%の水分を保っています。
さらに角質層の表面は、皮脂腺から分泌される皮脂が汗と混ざり合った
「皮脂膜」で覆われます。
これらのバリアが有害物質の侵入を防ぎ、皮膚の潤いを保っているのです。
ところが、冬になって気温が下がると汗の量が減って、皮膚膜の量が減少します。
また、湿度が下がると角質層から蒸発する水分量が増え、皮膚が硬く乾燥しやすくなります。
古くなった角質細胞は通常新陳代謝により1ヶ月周期で一つずつはがれるところを
角質層のバリア機能の低下によって角質層中の水分が10%以下に減ると
いくつも固まってはがれてしまうため、肌は粉をふいたように白くなったり、
かゆみが生じたりするのです。さらに、寒さにより皮膚の毛細血管が収縮し
皮膚に水分や栄養分を上手く供給できなくなるといった悪条件が重なり
荒れてしまった肌はなかなか元には戻れません。
このように、冬は肌にとって過酷なシーズンなのです。
こうした現象は、皮膚分泌量の少ないお歳寄りのヒジ、首、ヒザ、太ももなどに
多く見られますが、若い年齢層の肌荒れも見られるようになってきました。
その原因の一つに入浴習慣があげられます。
入浴は皮膚の健康には良いものなのですが、石鹸の使用や体をこすり過ぎることが
皮膚を傷める原因となるのです。
一般に日本の水は軟水で、欧米の硬水と比べると洗浄力が高いため
昔から入浴時に石鹸を使う習慣はありませんでした。
スポンジに石鹸を泡立てて洗う西洋風の入浴法の普及が
日本人の肌荒れ原因となっているようです。
次回は肌荒れ対策について、お話させて頂きます。