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薬物乱用は、なぜいけないのか?

①薬物乱用とは?

薬物乱用には大きく2つあります。

薬物乱用とは、決められたルールから逸脱して薬物を使用すること言います。

覚醒剤、麻薬、大麻などの違法薬物は、1回の使用でも乱用となる。

また、法律によって承認された医薬品は、病気やけがの治療(治または悪化を防ぐ)を

目的としていて、その取扱いや使用目的・方法には、明確なルールが定められているため、

これらの承認された医薬品も、定められた目的や使用方法以外で使用すれば薬物乱用となります。

●法律上のルール違反 違法薬物の所持、使用、譲渡
●目的や使用方法のルール違反 目的以外の使用、用法用量を守らない処方薬、市販薬の使用
●違法薬物

違法な薬物である覚醒剤などは、心や身体、座への影響が大きい為、

法律により所持・使用・譲渡などが禁止されており、逮捕や処罰の対象になる場合があります。

脳は20歳頃まで成長するといわれ、特に小・中・高校生の心身共に急速に

発達する大切な時期に薬物を乱用するとその発達が損なわれてしまうことが危惧されます。

●処方薬、市販薬

違法薬物の危険性は言うまでもありませんが、

近年では医薬品の乱用も大きな問題になりつつあります。

医薬品の本来の役割は、病気やけがで傷ついた部分を元の状態に戻す、

または元の状態に近づけることです。

例えば、「風邪の症状である頭痛や咳を止めるために、風邪薬や鎮咳薬を飲む」、

「振りむいた傷の治療のため、傷薬や化のう止めを塗る」などのように、

「つらい状態を、元のつらくない状態に戻すこと」です。

そのため、それ以外の目的で医薬品を使用することは、

医薬品の本来の役割から追脱しているため、薬物乱用となります。

近年では処方薬・市販薬の乱用については10代に頭着に増えてきています。

「全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査(2020年)」

(国立精神・神経医療研究センター)によると、図に示す通り10代において

市販薬が原因の患者は半数を超えていることがわかる。

同2018年及び2020年の調査によると、

全国の精神科医療施設で治療を受けている患者の薬物関連障害の症状に

最も大きな影響を与える薬物について、全対象者を見るといずれも覚麗剤が半数あまりを占め、

次いで睡眠薬・抗不安薬が横ばい(2018 年 17.1%、2020 年17.6%)で

続いている。

市販薬の利用による患者は増加傾向(2018年5.9%、2020 年 8.4%)であり、

とりわけ10代においては 2018 年に41.2%に至るなど最も多く占め、

2020年には半数を超え増加の傾向を示しています。